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yumbo Chronicle 4: Live Tapes 2014​-​2017

by yumbo / Genjitsu Records

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1.
鬼火が わたしの戸口に灯っている 夜明けまで 酒のなかでちらついている 鬼火が 触れた猫を家来にして 防波堤で 飽きることなく遊んでいる 鬼火よ わたしをもとに戻せ 鬼火よ 家具のような重さへ 鬼火が 燃やし尽くした街角は 切り分けられた 魚のようにとても静かだ 鬼火が ちぎれた言葉で話しかける 毎日を くさった舞台で演じている 鬼火が 優しい歌を濁らせる 絵に描かれた 電車のなかで歌い続ける 鬼火よ わたしのそばにおいで 鬼火よ 無知な心のように 鬼火が わたしの戸口に灯っている 夜明けまで 酒のなかでちらついている
2.
暗がりに干した服が 終わらないダンスのように 大あくびのなかでなびく 大あくびのなかで 分かりきったパンをかじり 裸で見上げたビルから 音楽が優しく流れる 音楽が 大切なものを ひとつだけ持って行きたい 大切なものを ひとつだけ持って行きたい ひとつだけ持って行きたい 日射しが島々を照らし 魔術にかけられたように もう誰も嘘はつけない もう誰も嘘は わたしの望みはひとつ あなたの戸口で燃えて 音楽を優しく奏でよう 音楽を 大切な人を ひとりだけ連れて行きたい 大切な人を ひとりだけ連れて行きたい ひとりだけ連れて行きたい
3.
水の涸れたプールをよじのぼって 鼠のように他人の家に忍び込んだが 家の中なのにゴーゴーと風が吹いている 自分だけの詩を書いたあとで 昨日の線に腰掛けるのは 逮捕されるよりも辛い 余白に鉛筆で走り書きされた 無意識の注釈 足の裏に静かに触れた白い枠 そういうものを懐に入れて 身体が消えてしまう前に 道の対岸まで歩き切らなければならない お願いだ 僕の身体を消さないでくれ 僕を消してしまわないでくれ どうか 僕の居場所を残しておいてください お願いだ 僕を消してしまわないでくれ 冷えきった国道沿いのベンチで 僕のためらいを鎮圧しようとする 騒音のかたまりがやって来るのを待っていた 倍近く年を取ったあなたは 水に濡れた携帯電話を握りしめて 世界の結び目まで僕を連れて行かねばならない 鏡の向こうで踊るあなたの欲望を 僕は生きることにした そのためには 凍った土を一晩かけて掘ってでも 僕たちの家を作らねばならない 空に住む鳥からミミズを分けてもらってでも このテーブルの左右にしがみついて生き抜かねばならない シブヤくん 罪は重いよ それは見逃せないよ シブヤくん シブヤくん もう遅いよ みんなとっくに行ってしまったよ シブヤくん
4.
あなたが消えた深い深い穴の中 優しい闇が飲み干された夜半に ゆきゆきて酔いつぶれて 薄められた血を流す いつかあなたが愛した物語を 踊り子たちが誤って床に落とした ざわめく追悼の響き 宴の途上で渦を巻く 朝があなたをコインのように弾いて 最前線を苦しそうに転がった わたしは今もまぼろしの市街戦で 終わりに向かって息を弾ませている 置き去りにされたバスのように むかしの歌を思い出す 置き去りにされたバスのように むかしの歌を思い出す
5.
蝉がとぶ キセルした夜の線路で あきらめて乗り込んだ 電車の上に わたしを迷わせる何かがある わたしを迷わせる何かがある 岸辺には あたらしいあなたの家が いつまでも そのままで暮らしていてね わたしを迷わせる何かがある わたしを迷わせる何かがある
6.
来たれ、死よ 閉じかかったドアの陰に 力の実よ 乗り捨てた憧れに 来たれ、死よ 忘れられた人の姓よ 遠い午後に 染み込んだ旅よ 来たれ、死よ 音のない列車のように とまれ、死よ 思いつくままに 来たれ、死よ 逃げ遂せた今日の雨と 静かな手が 触れ合った刹那に 来たれ、死よ 明けた空に迷う友よ 待ち合わせて 啼き交わす鳥よ 来たれ、死よ 許された思い出のように とまれ、死よ 思いつくままに 思いつくままに
7.
くるしみを象った 白と黒 いくつもの声 自ら望んで 誰もが変わった 度し難い愛しさが 水をのむ 暗がりのなか 心の北側 この世のものじゃない 空間に抗って 泥のなか つかみ取る縄 お願いだらけだ 俺にも聞こえる 眩しい詩を目で追って 血が乾き 歌えないさま どう伝えようか あなたの始まり 鳴り響くこの世界 冬が来る ささやきが来る 間違いだらけだ 俺にも聞こえる
8.
話し声のする朝に 背を向けて身を屈めた 病院の帰りに見た 動物の目の湖 反響する街の声 繰り下がる約束を捨て 道の眩しさに怯える 黒い束になった人々 釣り針のうかぶ運河で一人 石を食べている夕方 隙を突いて垂れ下がる アシナガグモを抱き締めて 橋から落ちた静けさが 苦しむ猫を見ている あの草むらの斜面を滑る 光のような心 離れないでと 切り取られてしまった車の形
9.
蝉がとぶ キセルした夜の線路で あきらめて乗り込んだ 電車の上に わたしを迷わせる何かがある わたしを迷わせる何かがある 岸辺には あたらしいあなたの家が いつまでも そのままで暮らしていてね わたしを迷わせる何かがある わたしを迷わせる何かがある
10.
閉じた輪の中で 灯された火は 貧しいねずみたちの 涙を誘った 来るべき闇が 流れ込む家で 食べ物を運んで 顔を見合わせる 愛おしいサークル わたしの負けを覆す 偉大なるサークル 星座をひとつ撃ち落とす あなたの肩越しに 最も優れた 芝居を観るように 世界が壊れて お別れの時を 待ち望んでいる 目覚ましいわたしたちが 出口をふさいだ 頼もしいサークル わたしの声を取り戻す 冷たいサークル 日射しをすべて塗り潰す 愛おしいサークル わたしの負けを覆す 偉大なるサークル 星座をひとつ撃ち落とす
11.
石が降る 広場に 歩み出る 足の裏に ささやきを 閉じ込める 真っ暗な 水平線 石が降る 廊下で 歌い合う 色と形 彗星が 手をつなぎ 抵抗が 先を歩く 石が降る この世に 笑いかけ 頬を寄せる 目を閉じた 末日 石が降る 闇のなかへ
12.
L'eau est sorti de moi je suis sorti du buisson. Comme, je ne suis pas sage je ne marque rien. Les yeux brillent dans le noir. Trouvez-moi Trouvez-moi Trouvez-moi Trouvez-moi Beaucoup du monde sont aspire souvent, c'est difficile de sortir du petit trou. La danse ne finit pas encore, et alors je vous regarde de ce petit trou Maintenant, je viens laissez la fenetre ouverte. Trouvez-moi Trouvez-moi Trouvez-moi Trouvez-moi 水がすべて流れ出して わたしは草むらから抜け出した 頭がわるいから 何も目印を置いてこなかった 暗闇のなかで光る目 私を見つけだして 私を見つけだして 私を見つけだして 私を見つけだして みんなもよく吸い込まれて来る 小さな穴から出るのは難しい ダンスはまだ終わっていない だから 小さな穴からあなたを見ている 今から会いに行くから 窓は開けておいてね 私を見つけだして 私を見つけだして 私を見つけだして 私を見つけだして
13.
釣り合いの取れた 手足を描こう 今日からは 端を 端を歩こう 流れ出た骨の 青さに目を伏せた 月並みな罪を 悪魔がつつみ込んだ またたく街の灯が 出来事を語った あれからどうしてた? あれからどうしてた? あなたの苦しみが わたしの港だった 汚れた食卓で 外の暗闇で 失敗を抱きしめよう 度し難い痛みの 理解者になろう 今日からは あなたと あなたと泣こう 両手にいっぱいの 間違いの実が 少しずつ熟して 憂鬱を撃ち抜いた みじかい手紙のように 遠回りして赤い これからどうしよう? これからどうしよう? あなたの戦いが わたしのかけらだった 燃える屋上で 最後の草むらで 失敗を抱きしめよう 忘れられた家が 風船に化けた もう一つ 星座を 星座を作ろう 空中に咲いた たくらみのように ただ 黙っている ただ 愛している 正しさの轍が やり方を狂わせた うまくいくだろうか? うまくいくだろうか? あなたの叫びが わたしの歌だった 世界の結び目で 夏のはしくれで  失敗を抱きしめよう

about

An anthology of live recordings Part 4 of 5.
With PDF booklet + 1 Bonus track.

credits

released June 3, 2020

Edited & Mastering, Liner notes by Koji Shibuya.
Cover art by Natsumi Kudo (2017).

license

all rights reserved

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about

yumbo / Genjitsu Records Sendai, Japan

Koji Shibuya
Ayuko Takayanagi
Natsumi Kudo
Yuto Ashida
Daichi Minaki
Chieko Yamaji

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